会話だけで嬉しいということ
これは憧れか、好きか。
今日は朝から晩までセミナーのアテンド(という名のサボり)で、ずっとweworkにいた。
いつも彼のカレンダーをチェックしている私は、今日の17時からのアテンドが彼に会えるチャンスだということを事前に知っている。
その為に見栄えのいい新しめのタイトスカートと、クリーニング用から引っ張り出したベージュのニットを着ていたのに、コーヒーをこぼしてシミだらけになった。この日だけは、一時帰宅を許してくれたウザ課長に心から感謝している。
夕方のセミナーのアテンド、入居する気のない客に対して割く労力も虚しく、早々に任務を終えてしまったせいで彼と対面することができなかった。
チクショウ。とおもっていた矢先、気を抜いた矢先である。同じ統括のMさんに寿司に行こうと誘われ、とりあえずweworkのビールをいただくことに。
27階で彼の姿を見つけた。恥ずかしいとおもいつつ、気づかないふりをしようとおもいつつ、彼とパントリーに向かう時が重なり、こちらから声をかけた。
おつかれさまです。
おお、久しぶり、と彼は返してくれた。
私は緊張し過ぎて、ビールを取る仕草すらどうだったかを覚えていない。
確か横串会議の話とか、Wさんの結婚式の2次会の話とかで、本当にしょうもない話をしてしまって、「また飲みに行きましょうね」とか、「ディズニーいつ行きますか」とか、次に繋げられるような一言を何一つ言えなかったことに、今でも後悔をしている。
酒が弱くなったらしい。
それは私にとっては心配で、他の人にも不意にキスをしたりするのだろうか、と無駄な妄想と嫉妬をさせる彼はきっと私に対して、なんの感情も抱いていないんだろう。
緊張してた。私は。
それはよく覚えている。そしてそれ以外のことはほとんど覚えていない。
こんな些細な会話で嬉しくなって、でもああすればよかった、こうすればよかった、に振り回される。
これは憧れか、本当の好きか。
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