初めて泣いた日

私がではない。彼が。

昨日までの週末は、
彼の母親が東京に来ていたらしい。
彼は私と同じ母子家庭なので、
彼なりに母親を思って、今住む都会へと招待した。

寂しいだろうと、思いやってのこと。
私はそういう彼をすごく誇りに思う。

でも聞けば、彼にとって親孝行は難しい、らしい。

男子ならではの悩みなのか。
はたまた、彼の母がネガティブすぎるのか。

息子を溺愛しすぎて、
嫉妬した彼女のように振舞ってすぐに拗ねてしまうのは、歳をとった女によくあることだ。

彼は珍しく疲れたと連呼して、
そんな愚痴る彼が珍しかったので私も嫌には思わなかった。

帰り、
涙が止まらない
と連絡が来たので、電話をかけろって言った。

10分後電話を出ると、彼は私の声を聞いて、声を殺して泣いていたのがわかった。

安心したのかな。
彼が泣く間、私は彼を泣かせてはいけないと思った。
悲しいあの人を見たくないと思った。

彼を大切にしようと思った。
彼は私を好きだと言ってくれた。
私は今心から、私も好きだと思っている。

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